本日は帯にまつわるお話。
その黒帯は本当に黒いのか?というお話です。
1.稀に聞く帯の色偽装
さて帯の偽装という意味では、空手段位を持っていないのに、黒帯を巻いている。なんてこともありえます。何故なら黒帯自体は別に通販でも買えるわけですし。
段位なくとも黒帯を巻くことは可能です。
しかし私が知る限り、勝手に黒帯を締めて、、という人に出会ったことはありません。
どちらかというと逆です。
つまり元々黒帯なのに、茶帯を巻いてる。とか白帯を巻いているとかです。
まぁ、本人の自覚の問題なので、別に良いといえば良いのですが、、。
実はこのケース結構多いんです。
2.なぜ黒帯をまかない?
では何故に黒帯をまかないのでしょうか?
一番多い答えがこれ!
2−1.前の道場を辞めたから
前の道場を辞めたから!!
理由は色々です。
・引っ越したから。
・その道場がなくなったから。
・分裂したから。
・休会してそのままになっていたから。
などなど
過去所属した道場を辞めてしまうと、初段という肩書が通じなくなる場合もあります。
いずれにせよ、元々道場の発行する段位は、その道場独自のものであり、その道場内での段位を表すもので、別に公的な基準があるわけではありません。
例えば流派や会派によっても違うので、その統一的な基準を満たすのが、「全空連」などの組織による一定の基準が存在するわけです。
2−2.我が道を行く
黒帯の価値に見合わないと独自に判断した人やそもそも帯は関係なしと思う人もいます。
「自分は確かに黒帯をもらったが、その実力が無いと思い黒帯はつけていない!」
とか
「道場に所属せず自らひたすら鍛錬を行う!帯の色など関係なし!」
とか殊勝な方もいます。
信念があり我が道を行くという方は、こういった感じで黒帯をあえて巻かないという人もいるわけです。
2−3.大会で勝ちたいから!
これも実際に有り得る話です。
例えばある大会に出場しても、周りは強敵ばかり。自分に勝ち目がない。
となった場合に、
「そうだ!強敵揃いの有段の部じゃなくて、初心者も居るであろう有級の部で出れば良いのだ!」
という理由で、本当は黒帯なのに茶帯(有級)として大会にエントリーするという人もいます。
理由は唯一つ。大会で良い成績を取りたいから!
確かに有段の部はそれこそ強豪揃いでしょう。一方で有級の部であれば、優勝だって狙えてしまうかもしれない!
という事で、黒帯をあえてつけず、茶帯をつけて出場する選手もいます。
あと多いのが、
「大学時代に空手をやっていた(当然黒帯)が、もう10年以上やっていないから、白帯で大会に出場する!」
という人もいます。もう忘れたから、、という理由です。
信じがたいかもしれませんが、帯の色や段位の審査内容によっても異なるため、こんな事も起こってしまうのです。
それに自動車免許だって更新が必要ですが、空手の段位に更新は必要ありません。
今段位審査受けても受からない!と思う人が居るのも事実です。
3.帯を汚して強く見せる
さて空手の帯は非常に頑丈です。普通に使っているだけであれば、そうそう壊れることはありません。頑丈なんです。
そしてそんな頑丈な帯も、長い年月使っていると徐々に、汚れてきたりほつれて来たりします。
当初真っ黒だった黒帯は、徐々に徐々に汚れてほつれてくるものなのです。その帯の汚れこそ、その持ち主の必死の練習の成果であるのです。
汚れた黒帯は逆に白く見えるようになります。
ここまでやる人は間違いなく凄い空手家なのでしょう。
だからこそ、その熱量と努力に人は敬意を持つのです。
ところが!
その見た目を模倣するためだけに、黒帯を削ったりわざと汚したりするという人もいるそうです。試合の相手を撹乱するための脅し。ブラフ・戦略と言えますが。
あまりに情けない!
その努力のあとは、偽りの努力!
やる価値がない!
と私は思います。
4.終わりに
という事で、黒帯を持っているのに、試合に勝つために敢えて茶帯を巻く人もいます。昔やっていたが、今は自信がないという理由で、黒帯をまかない人もいます。
まぁ、人には人の思いがあり、人にどうこう言われる筋合いはありませんが、一言だけ!
「カッコ悪い」
と私は思います。
黒帯をもらったが、自分の実力に見合わないので巻かない。とかそもそも帯の色に囚われたくないという人もいます。
自分の信念を持てるという意味で、間違いではありません。
ただ、まぁ、そこまで深く考えずに、黒帯をもらったからそれ以降はずーっと黒帯という人が大半なわけです。
一部の人の試合に勝ちたいからという理由で、黒帯を締めないのであれば、そもそも黒帯なんて貰わなきゃいい。
と私は思います。
皆さんはどう思いますか?
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